その手で触れて確かめて
第10章 お2階さん。( A × N )
よかった。この間よりは満足してもらえたみたい。
今度は、カズと二人っきりとかで食べられたら…
…って、何考えてんだ!?俺?
カズのうまそうに頬張る横顔を見たら、
ついついそんな考えが浮かんでしまっていた。
不意に誰かのスマホが鳴ったと思ったら、
風間くんがスマホを耳にあてながら部屋を出ていった。
すると、カズがゲーム機に目線を落としたまま口を開いた。
和「ね、何で店で出さねぇの?」
「あ、だから、そんな人気なかったって…」
和「昔の話でしょ?今だったらイケるかもよ?」
「そ、そうかな?」
カズがそう言うんならイケそうな気がする。
って、その判断は俺がする訳じゃないんだけど?
和「ごちそうさま。また、食わしてよ?」
カズは、顔を上げると、
にっこり笑ってくれた。
「………。」
和「どうした?」
「へっ!?あ、べ、別に?」
和「アホみたいな顔してっから。」
そう言って壁に凭れかかるとまた、笑ってくれた。
あ、また…。
風「相葉くん?どうしたの?ボケッとして?」
電話を終えた風間くんが、いつの間にか俺の目の前にいた。
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