その手で触れて確かめて
第10章 お2階さん。( A × N )
風「相葉くん、てさぁ…」
講義中、風間くんが俺を小突きながら小声で話しかけてきた。
この授業は選択科目で、
カズは取っていなかったから、
隣には風間くんしかいなかった。
風「もしかして、今好きな子とかいたりする?」
「えっ!?」
思わず大声を出してしまう。
風「そ、そんな驚かなくても…」
笑いを堪える風間くん。
「だ、だって、急にそんなこと聞いてくるから…」
風「ごめんごめん。何か、気になっちゃって?」
風間くんは、ホワイトボードの文字をノートに書き写し始めた。
風「間違ってたらごめん。」
風間くんは、正面を見つめ、手を動かしながら、
こう言った。
風「それ、って、もしかしてカズくん、とかじゃない?」
「えええっ!!」
今度は、声をあげ立ち上がってしまった俺に白い目線が突き刺さる。
風「…ビンゴ?」
赤面して座る俺の隣で、風間くんは机に突っ伏して笑った。
「なっ、何言って…」
風「ここ最近のカズくん、よく笑うようになったから、もしかして相葉くんの影響かな?と思って?」
つまりは、
風「相思相愛なのかな?と思って?」
おっ…俺と…俺とカズが…
相思相愛だって?
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