その手で触れて確かめて
第12章 甘く、透明なオレンジ( M × O )
潤side
人間、好きな人とはどうにかなりたい、って気持ちは少なくともあると思う。
俺だってそう…
でも、初めっからその気があったのか、って聞かれたらそれはちょっと分からないけど、
あの笑顔に惹かれたのは間違いない。
見てるだけで幸せな気持ちになれた。
それがだんだん、側にいたい、
声が聞きたい、
触れてみたいってなっていって、
やがて1つになりたい、って思うようになっていって、
挙げ句、誰の目にも触れさせないように閉じ込めておきたい、って思うに違いないんだ。
「大野さん。」
だから、今の俺の顔を鏡に映すと、
とてつもなく悪い顔をしているに違いない。
「大野さんさえよければの話なんだけど…」
どんな謗りを受けようが罵られようが構わない。
「俺の家で飲み直さない?」
あなたが俺だけのものになるなら俺は…
智「いいよ?」
どんなことだってする。
だって、あなたが…
智「行こ?」
あなたのことが好きだから…。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える