その手で触れて確かめて
第13章 雨の日に恋をして ( A × N )
雅「そんなキツい言い方に聞こえたんならごめん!!ね?」
「ごめんなさい…」
突然泣き出してしまった俺にオロオロし出したアイツに、
店長が控え室に連れていくよう指示を出す。
店長「ここはいいから。彼、頼むね?」
雅「すいません…。」
「………」
雅「落ち着いた?」
と、ホットコーヒーが入った紙コップを持ったまま項垂れる俺の顔を覗き込んでくる。
雅「コーヒー、冷めちゃったね?淹れ直してこよっか?」
と、紙コップに手が伸ばされようとした時、
俺は、何故だか一瞬、コイツに洗いざらい話そう、って思ってしまったんだ。
「あのさ…もし、付き合ってる人が浮気してたら…」
雅「え?」
「…やっぱ、いい。」
俺は、慌てて冷めたコーヒーを飲み干す。
…そうだよ。こんなこと、コイツに聞いたところでまともに返してくれるはず…
すると、項垂れたままの俺の頭に、ふわり、とアイツの手が触れた。
雅「だから機嫌悪かったんだ?」
「え?」
思わず、顔を上げ、アイツの顔を見た。
雅「店に入ってきた時から様子が変だったから、何かあったのかな?って思ってたんだけど。」
そう言って、アイツは…
相葉さんは顔をぐしゃぐしゃにして笑った。
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