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その手で触れて確かめて

第13章 雨の日に恋をして ( A × N )



雅「じゃあ…カズ、だね?」


「何でいきなりそうなんの?」


雅「だって、今日から友だちじゃん?」


「メシ行くだけだろ?」


雅「友だちだって!?じゃ、決まりね?」



相葉さんは、嬉しそうに控え室を出ていった。





『カズ』か…。






「和也…です。」


翔「君が…和也くん?櫻井翔です。よろしく。」



ゲーム三昧で引きこもりがちだった俺を心配した両親が家庭教師にと連れてきたのが翔さん。



翔「俺、君のこと何て呼べばいい?」



翔さんは、簡単な自己紹介の後、



背を向け机に向かう俺の隣に椅子を置いた。



翔「俺のこと、先生、じゃなくて、翔さんでいいから。」


「でも…」


翔「そのかわり、カズ、って呼んでもいい?」


「え…?」


翔「イヤ?」



間近に迫る、黒目がちの大きな瞳に、心臓が跳ね上がる。



「そ、それでいい…です。」


翔「じゃあ、始めようか、カズ?」


「は、はい。」





ゲームしか楽しみがなかった俺は、



いつしか翔さんの顔を見ることが何よりも楽しみになっていった。


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