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その手で触れて確かめて

第13章 雨の日に恋をして ( A × N )



俺と翔さんが付き合い始めたのは今から1年半ぐらい前。



去年の翔さんのバースデーに俺から気持ちを伝えた。



でも、そこは男同士。



「ごめんなさい!!やっぱり忘れて!」



でも、翔さんは、



翔「…冗談でしょ?」



翔さんは、バースデープレゼントに、って俺が渡したマフラーを俺にそっとかけてくれた。



翔「忘れられるわけないだろ?こんなスペシャルな日。」



そう言って笑った翔さんの顔が近づいてきて、



唇が重なった。







フォークにスパゲッティを巻き付け、


ぼんやりと、当時のことを思い出してはため息をついていた。



だから、



付け合わせにオーダーしたサラダをつまみ食いする相葉さんにも俺は気付いていなかった。



でも、サラダのトマトが食いたくなってフォークを伸ばすと、


食べていないはずのトマトが消えていることにようやく気が付いた。



俺は、目の前で大盛りのビーフカレーをがっついている茶髪のヘラヘラした男の付け合わせのサラダから、


生ハムを堂々と奪い取った。



雅「あっ!!それ、俺の!!」


「えっ?残してあるからいらないのかと思って?それに、『それ、俺の!!』って主張する権利あると思う?」


雅「…すいません。仰るとおりです。」



相葉さんは、自分のサラダを俺の目の前にスライドさせた。



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