その手で触れて確かめて
第14章 インクルージョン (A × O)
雅「早まってなんかないよ?これでも真剣に考えたんだ。」
「相葉くん!!」
雅「このまま櫻井に遅れをとったまんまじゃヤだし。」
「え…それ、どういう…?」
雅「だって、このまま学校に残ったら、先生と生徒のままじゃん?」
「そんなこと、当たり前でしょ?」
雅「俺が学校辞めたら先生と生徒じゃなくなるし?」
「…今、学校辞めてもそれは死ぬまで変わらないよ?」
…先生と生徒として出会ってるんだし。
雅「じゃあ、どうしたら…どうしたら、先生は俺のこと見てくれるの?」
「ちゃんと見てるよ?今も、これからも、ずっと!!」
雅「そうじゃなくて…」
相葉くんは、すがり付く僕の腕を引き剥がして、
両手でぎゅ、と握りしめた。
雅「あなたの生徒じゃない俺を見てほしいんだ。」
その時、一陣の涼やかな風が僕の頬をすーっと掠めて通り抜けていった。
雅「好きでした。初めて会った時から。」
「え?す…」
思いがけない相葉くんからの告白に、僕は…
僕の頭は真っ白になった。
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