その手で触れて確かめて
第2章 劣情と熱情と純情と (A × M )
「ばか…お前、何で戻って…」
「アイツらだったらさっき帰ったよ?」
時折、ヒロシは短く呻きながらゆっくりと体を起こし、壁に背中を押し付けたまま顔を上向け大きく息を吐いた。
「…これで分かったろう?もう、2度と来るな。」
「アイツらの言ってたメインディッシュ、って…何なの?」
口元を拭い顔を歪め、顔を背けプッ、と血の混ざった唾を吐いた。
「…お前らみたいなガキどもを食い物にしてんだよ!?」
「どういう…こと?」
「アイツらは目を付けたガキを輪姦してから、これは、ってヤツをそういう趣味のジジイに抱かせるんだ。」
「ウソ…!」
「ったく、せっかく警告してやったのに、のこのこ現れやがって…」
立ち上がろうとして、足に力が入らず、ヒロシは膝からくずおれた。
そんな姿を見かねて、俺はヒロシを肩に担いだ。
「病院いこ?」
だが、ヒロシは鼻で笑うと俺の手を振り落とした。
「冗談だろ?忘れたのか?俺がお前に何しようとしたのか…」
「…忘れてないよ?」
再び、ヒロシの肩を担ぐ。
「注意してくれたんでしょ?悪い大人がいるから、って?」
俺は、呆気に取られるヒロシに笑いかけた。
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