その手で触れて確かめて
第14章 インクルージョン (A × O)
パニクってる僕の目に、ふっ、と人影が過るのが見えた。
「あ、相葉くん…ここ、学校…」
雅「あっ!?そっか。つい先生への愛が溢れ出ちゃって♪」
あ、愛…って…相葉くん?
「あ、あのっ!?と、とにかく、こういった…その…要望には答えられないから…」
雅「じゃあ…どうやったら俺の要望に答えてくれます?」
「えっ!?あっ…だ、だから…」
この時、断るつもりなら、ハッキリダメだ、って言えばいい、ってことぐらいは分かってる。
…つもりだった。
でも、その、二文字が、
どうしても僕の口から出てくる様子がなかったから、
つい、あんなこと言っちゃったんだ。
「じゃあ、学校辞めないで!ちゃんと卒業して!」
途端、相葉くんの顔が曇る。
家族思いの優しい相葉くんなら首を縦に振らないはず…
雅「…分かった。」
「よ、よかった…えっ!?」
退学しない、ってこと?
雅「俺、先生がそう言うんだったら辞めない!!」
さっき、辞める、って…?
雅「俺、ちゃんと学校卒業して、先生に認めてもらえるようにがんばる!!」
え…と…これ、って、
所謂、結果オーライ、ってこと?
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える