その手で触れて確かめて
第16章 続・honeyすうぃーとな俺たち。(S × M )
和「ね、ね、潤くん、どうだったの?子作り旅行の成果は?」
「ぶっ!!」
大学の学食で、カズとランチの約束をしていた俺。
開口一番で、何を言い出すのか、と思いきや…。
和「だって、さっきからずっと腰、擦ってるじゃない?」
そう。
あれから、翔さんと俺は、
二日目は部屋から一歩も出ずに過ごした。
智「もー、翔ちゃん、ホントに子供出来ちゃったらどーすんの?」
と大野さんから揶揄されるぐらい、ずっと一緒にいた。
てか、思い出したように、
気がついたら抱き合ってた。
和「ま、できたらできたで、お嫁にもらってもらうんでしょうけどね?」
「嫁、って…」
照れ隠しに水を一気飲みし、
カズから逃げるように席を立つ。
和「あ、そうだ!これ、見て?」
と、左手のひらを俺の目の前でヒラヒラさせた。
和「えへへ。もらっちゃった。」
その、薬指に誇らしげに光るシルバーの輪っか。
和「こんなことぐらいしかしてやれねぇけど、って?」
「………。」
和「意外にロマンチストでしょ?あのオジサン?」
「…そうだね?」
そこには、
あの日、帰りの車の中で、酔いつぶれた大野さんを膝枕していた時のカズがいた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える