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その手で触れて確かめて

第19章 俺のアニキ(M × S )



翔「あれ?そう言えばお前、何でここにいるの?」


「何で、って?ここ、俺んちなんだけど?」


翔「じゃ、なくて。いつものアレか?夫婦ゲンカでもしたのか?」


「ちげぇよ?それに何だよ?夫婦ゲンカ、って?」



呆れたようにため息をつく翔に反論する。



翔「一緒に住んでんだから夫婦だろーが。」


「だから、違う、ってんだろ!!」


翔「…ま、どーでもいいけど?」


「よくねぇよ!」


翔「それはこっちのセリフだ!!あのな、お前が雅紀とケンカするたびに雅紀が俺んとこ来て愚痴るんだから。」


「それは…ごめん。」



勘弁してくれよ、と、翔はタオルで頭をごしごし拭きながらビールを飲んだ。


翔「ま…俺もたまにあるから、分からないこともないけどな?」


「どんなことで?」


翔「ん?」



目を見開き俺を見た。



「ケンカの原因。」


翔「…大したことじゃねぇよ?」



俺の質問で、どんなことが頭を過ったのだろう。



翔の表情が微かに緩んだ。



翔「犬だって食わないんだからさ?」



笑いながら俺の頭をぽんぽん叩くと、側にあったスマホを手に取った。



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