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その手で触れて確かめて

第19章 俺のアニキ(M × S )



父「おい、潤。」


「何?」



いつになく、真剣に考え込んでいる翔にただならぬものを感じたのか、父さんが小声で話しかけてきた。



父「何があった?」


「ああ…今、究極の選択に迫られてんだよ?」


父「…そんなに重大ごとなのか?保養所の場所が?」


「いや…それよりもっと大事なことみたいだよ?」


父「もっと大事なこと?」



多分、父さんには理解できないかも…



いや、普通に考えたら誰も理解できないと思うけどね?



俺は呆れ気味に、父さんは心配そうに翔の様子をしばらく見ていた。



翔「…ダメだ。答えが出ない。」



翔は頭を抱えた。



…ウソだろ?(←笑)



そんな翔の様子を見かねた父さんが、翔の肩にぽんと手を置き隣に腰かけた。



父「翔、一人で悩むな。一線を退いたとはいえ助言ぐらいは出来るぞ?」


翔「とっ、父さん、来てたんだ?」



素っ頓狂な声をあげ、慌てて目の前のパンフレットの中から適当に手に取り父さんの目の前に広げた。



翔「保養所のこと、父さんの意見も聞きたい、と思って?」


「・・・・」








ついでに、さっき俺が質問したことも父さんに相談してみたら?



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