その手で触れて確かめて
第3章 歪な夜の夢 (O × S × M)
カチャカチャとベルトを外す音がして、
前を寛げられる感覚に固く目を閉じ唇を噛みしめた。
ズボンが片足づつ抜き取られ床に落とされる様を見ると、
悔しくて、泣きそうになって、
シーツに顔を押し付けた。
「あれぇ?もしかして泣いてる?」
無理矢理こちらに向かせようと顎に手をかけられた時、
さっきまで、離れた場所から聞こえていた声の主が、
暴走しかけた翔に待ったをかけた。
「…もう、そのぐらいにしとけ。」
肩にのせた智の手を無言で振り払うと、
翔はベッドから降り、大きく息を吐きながらマッパでうろうろとその辺を歩き始めた。
「ったく、もっと優しく出来ないのかよ?あれじゃ強姦だろが?」
智は、俺の手首に絡まるように縛ってあったシャツをほどくと、
「オマエも挑発すんなよ?知ってんだろ?アイツがキレたら豹変することぐらい。」
そう言って、ぐしゃぐしゃと頭を引っ掻き回すように撫でてくれた。
「だって…」
智に甘えるみたいに体を預けると、
今度は優しく撫でてくれた。
けれど、ちら、と後ろを振り返り声を潜めた。
「翔が、すげぇ顔してこっち睨んでるぞ?」
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