その手で触れて確かめて
第3章 歪な夜の夢 (O × S × M)
「いいよ、もう…」
智の体に顔をグリグリ押し付けるみたいに擦り寄せた。
「あんまり見せつけないで欲しいんだけど?」
「お…脅かすなよ…」
いつ側に来たのか、
翔は、上目で睨むようにしながら、ベッドに腰かけていた。
「ねえ、潤、返してくんない?まだ、途中なんだけど?」
智の肩越しに目を合わせようとする翔の目から逃れるみたいに、
智の背後に身を隠した。
「怖がってっけど?」
「ちょっと脅かしただけだって!?」
「ちょっと…ねえ…。」
智は、少し赤みの残る俺の手首をじっと見つめた。
「ごめん。やり過ぎた。」
翔は、伏し目がちにそう言うと、
シャワーを浴びてくると言って出ていってしまった。
「ごめん…」
「俺の方こそ。煽ったりして悪かった。」
智は俺の頭をグリグリ撫でた。
「まともにアイツの相手すると、全部搾り取られそうなぐらいすげえんだよ。」
「そんな旺盛には見えないけど?」
「酒が入ると変わるんだよ?」
「酒乱なんだ?」
「かな?」
ベッドから降りると、
智はグラスに水を入れて持ってきてくれた。
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