1人じゃなくて。
第4章 No.4
「は…い…なんともないです。すみません…」
「なんで謝んの。転ばなくて良かった」
お腹の辺りを恭也に支えられたまま、奈瑠は謝った。
「…………あの…」
しかし
恭也は奈瑠を離さない。奈瑠の背中に目線がいっていた。
「奈瑠ちゃんさぁ…腰細すぎじゃない?ちゃんと食べてるの~?」
「…ゃ、あっ…」
恭也は自分の方に奈瑠を寄せ、撫でるように腰に触れた
「っ…ちょっと、待って……ぁっ!」
「ふふっ、いい反応…」
部屋に甘い声が響き、恭也の手が徐々に下へと下りた時…
「……おい…」
低く、底からくるような声が聞こえた。
「てめぇいつまで触ってんだよ…………いい加減離れろっ!」
───ドスッ──
「でね、奈瑠ちゃん。部屋っていうのはね……」