1人じゃなくて。
第5章 No.5
「なんか…私あんまり詳しくないんで、よく解らないんですが………すごいですね!」
原稿用紙には、細かく、でも分かりやすく、迫力のある絵が描かれていた。
「あ……この人…二人の兄弟の母親?」
そこには感動のシーンであるだろうコマに、優しい雰囲気の女性が描かれていた。
「まさか…生き返ったんですか?」
「ん~、どうだろうね~」
曖昧な答えを返すシロ
「……まぁ、アニメを見続ければいい話ですけど!」
───カチャ──
「シロ!さっさと席につく!!」
要が呆れたように二人の後ろにいた
あ!私ったら…
奈瑠は要が自分を座らせてくれることを、すっかり忘れていた。
「わかってるよ…」
───ヒョイッ──
「わっ…!」