1人じゃなくて。
第6章 No.6
「……これ…私に?」
入っていたものは、淡い桃色のワンピースだった。
心地良い手触りと、濃すぎない色がとても可愛かった。
「そうだよ。着やすいように、ワンピースが多いんだけど…気に入ってくれた?」
心の奥がキュンとなる。
他の紙袋にも…落ち着いた色の服や、リボンのついた麦わら帽子、高さのない靴があった。
どれも、派手ではなく清楚なものばかり
「……恭也さん…とっても嬉しいです…ありがとうございます!」
胸がいっぱいになりながらも、溢れる涙は止まらなくて…
泣き笑いだった。
───ドキンッ──
「……良かった。奈瑠ちゃんのその笑顔が見れて。」
自然と周りも笑顔になる。
「でも……こんなに…本当にいいんですか?私何も持ってなくて…。」
「だから、プレゼントって言ったじゃん!俺からの気持ち…ね?」
奈瑠は、この服の額が相当なものだと思った。
値段の話は駄目だ。
自分には心からお礼を言うしかない。
「本当にありがとうございます…大切にしますね…」