
清純派リミット。
第2章 賞味期限
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「あたしを処女じゃなくしてくださいっっ!!」
言った…
言っちゃったよ…!
「…え?」
目の前にはポカンとした表情を浮かべる瀬野くんがーー
瀬野龍之介(せのりゅうのすけ)
わたしが通う鳳学院大学一のモテ男…いや、チャラ男。
入学して1ヶ月で20人の女子を落としたとか、
彼女(セフレ?)が100人いるとか、
歌舞伎町のホストクラブでバイトしてるとか…
とにかく悪い噂の絶えない超絶スーパー軽い男!!
「…ぷっ。なにそれ?新手の誘い文句?」
瀬野くんは吹き出してからかい口調でそう言うと、わたしの髪の先に触れた。
「ほ、本気です…っお願いなんです!」
「ふーん?
こんな綺麗な黒髪で清純ぶってる癖に…
なーんか意外だね?」
意地悪な微笑みを浮かべながらわたしの髪をくるくると指に絡める。
男の子に髪を触られるなんて生まれて初めてのわたしは、自然と体がひるんでしまう。
でも、決めたんだから…
ずっとずっと決めてたんだから…
わたしにはもう時間がないんだもん…
