
清純派リミット。
第2章 賞味期限
瀬野くんはそう言ってわたしの手を引き、歩き出した。
「え、ちょっ…どこに…?」
「うーん、やっぱ人気のない所がいいよね?
あ、もしかして野外希望だったり?」
瀬野くんはクスクス笑ってるけど
これが冗談なのか本気なのか、わたしには全く分からない。
きっと、いつもこうやってるんだろうな…
手をひかれるがまま瀬野くんの後ろ姿をじっと見つめた。
ダークブラウンのサラサラの髪の毛が
日にあたって綺麗で
背が高くて、スラッと長い手足に整った顔立ち
こう見えて成績トップで入学したらしいし、身のこなしだって同い年とは思えないくらい余裕があって…
瀬野くんがみんなにモテるのは正直分かる気がする。
だってほんとは、わたしが瀬野くんにこんなことを頼んだのは学校一のチャラ男で経験豊富そうだからってだけじゃない。
わたしの初恋の人に、
"りゅうちゃん"に、どことなく似てるからーーー
