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第3章 視線を紡いで by みきちん

2人で曲について語り合った。


そして
念願の彼の名前を知ることが出来た。


大野智


俺の大切な人……



――あれから数か月


一方的な待ち合わせから、
二人の待ち合わせ場所になった
CDショップ。


毎日一緒に帰っている。


友達として……


今日は天気が良かったから
土手を通るルートで帰ることに。


買い食いしながら帰る時もあって
智はいつも口いっぱいに頬張る。


その姿は本当に可愛い。


でも、それ以上に土手ルートを
歩くときの夕日に照らされる
智の横顔。


息をのむほどキレイで。


――その顔を独り占めしたい。


湧き出す感情を
抑えられない自分がいる。


告白しようと何度も思った。


でも、もし断られたら……


せっかく築き上げた関係が
壊れてしまう。


それなら、このまま友達でも。


そんなことを考えていると
視界に紙ヒコーキが。


「お兄さん、取って!」


小学生くらいの少年の声が聞こえた。


智が紙ヒコーキを拾うと
少し工夫をして、飛ばした。


それは俺の見たことのない高さで
大きく飛んで行った。

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