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第29章 まほろばの家 byアロエリーナ・のさまじょ・millie
「そんなの聞いて楽しいの?ほかの話にしない?」
「ううん、やだ。その話がいいの…」
「うーん、じゃあ、腕利きかは判んないけど…隠居した医者の話をしてやるよ。そのかわりちゃんと寝ろよ?」
「うん、わかった…だから聞かせて…」
和也の柔らかな声に導かれるように…記憶を昔に戻す。
そう…まだ学生だったあの頃に…。
「その医者はさ、もともと医者になりたかった訳じゃないんだ。ただね、親がどうしても跡を継げと迫るから仕方なく、そのレールに乗った。
だけどさ、ある日彼の世界が一気に変わる出来事が起こったんだよ…。
そいつね、好きな奴が出来たの。うーんと遅い初恋ってやつだ」
和は声は出さず、ただベッドの上で頷く。
「そいつが初めて恋した相手とはさ、皮肉なことにそいつの親父の病院で出会った。
病室から外を見ていた子だった。
その子に一目惚れしたんだ。
馴染みの看護師を掴まえて、強引に相手の子の事を聞いたそいつはその子を治したい一心で医者になることにしたんだ」
そこまで話してベットに目をやると和は眠っていた。
すやすや眠る和也の髪にそっと触れる。
時よ止まれと願いながら…。
「ううん、やだ。その話がいいの…」
「うーん、じゃあ、腕利きかは判んないけど…隠居した医者の話をしてやるよ。そのかわりちゃんと寝ろよ?」
「うん、わかった…だから聞かせて…」
和也の柔らかな声に導かれるように…記憶を昔に戻す。
そう…まだ学生だったあの頃に…。
「その医者はさ、もともと医者になりたかった訳じゃないんだ。ただね、親がどうしても跡を継げと迫るから仕方なく、そのレールに乗った。
だけどさ、ある日彼の世界が一気に変わる出来事が起こったんだよ…。
そいつね、好きな奴が出来たの。うーんと遅い初恋ってやつだ」
和は声は出さず、ただベッドの上で頷く。
「そいつが初めて恋した相手とはさ、皮肉なことにそいつの親父の病院で出会った。
病室から外を見ていた子だった。
その子に一目惚れしたんだ。
馴染みの看護師を掴まえて、強引に相手の子の事を聞いたそいつはその子を治したい一心で医者になることにしたんだ」
そこまで話してベットに目をやると和は眠っていた。
すやすや眠る和也の髪にそっと触れる。
時よ止まれと願いながら…。