Welcome to our party
第32章 quirk of fate by みきちん
「ちょっと付き合って」
連れてこられたのはマンションの一室。
家財道具は一式あるが、生活感がない。
「高校を出たら、ここに住む予定だったんだ」
「予定?」
「もう、必要ないから……」
「雅紀?」
一瞬、寂しげな表情を見せたが
「何?」
次に俺の目に映ったのはいつもの笑顔だった。
「それよりもこっち来て!」
俺の手を引いて連れてこられたのは
寝室だった。
呆然と立ち尽くしていると
雅紀が急に抱きついてきた。
「雅紀……離して」
「離れない……」
「頼む、離れてくれ!」
「離れない!」
どんどん俺を抱きしめる腕に力が入る。
「ねぇ、和也。俺を抱いて……」
「出来ない……」
「俺のこと、嫌い?」
俺は何も言えなかった。
「嫌いだっていい。
でも、今日だけ……今だけでもいい、
抱いてくれてる間だけ、俺を愛して……」
俺にしがみついていた腕は力を無くし
膝から崩れ落ちた。
「雅紀……」
「お願い……和也」
俺を見上げ、必死に懇願する雅紀。
何かが音を立てて崩れていった……
連れてこられたのはマンションの一室。
家財道具は一式あるが、生活感がない。
「高校を出たら、ここに住む予定だったんだ」
「予定?」
「もう、必要ないから……」
「雅紀?」
一瞬、寂しげな表情を見せたが
「何?」
次に俺の目に映ったのはいつもの笑顔だった。
「それよりもこっち来て!」
俺の手を引いて連れてこられたのは
寝室だった。
呆然と立ち尽くしていると
雅紀が急に抱きついてきた。
「雅紀……離して」
「離れない……」
「頼む、離れてくれ!」
「離れない!」
どんどん俺を抱きしめる腕に力が入る。
「ねぇ、和也。俺を抱いて……」
「出来ない……」
「俺のこと、嫌い?」
俺は何も言えなかった。
「嫌いだっていい。
でも、今日だけ……今だけでもいい、
抱いてくれてる間だけ、俺を愛して……」
俺にしがみついていた腕は力を無くし
膝から崩れ落ちた。
「雅紀……」
「お願い……和也」
俺を見上げ、必死に懇願する雅紀。
何かが音を立てて崩れていった……