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第34章 WINTER COMES AROUND by millie

今年もまた、あの日が近付く。

繋いでいた温かい手を放してしまった日。

和が一枚のチケットを俺に差し出す。

「俺と一緒に行ってくれない?」

あのアーティストのコンサートチケット。

正直怖い。
もしまた喪ったら…?

不安が顔に出てたんだと思う。
和は温かい手で俺の頬を包みながら言う。

「大丈夫だから、
 俺は絶対あんたを置いていかないから」

和の笑みに彼のふわっとした笑みが重なる。

ごめんね…俺、しあわせになるよ。

でもね、絶対忘れないから。

ずっと一緒だから。
貴方の大事な弟と一緒に歩いていくよ。

「うん、行こ、コンサート」

俺は和の手を取った。

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