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第35章 待つだけなんてガラじゃない by mimi

急いで校門まで行くとそこにいたのはやっぱりまーくんで、俺を見るとふんわり笑ってくれた。


「まーくん!」

「良かった、まだいてくれて」

「どーしたの?…あ、」


そこにはもう一人高校生がいた。


「初めまして」


この髪型。


朝一緒に行ってる人だ。


「翔ちゃん、和だよ。和、俺の友達の翔ちゃん」

「おい、雅紀。なんだよ、その説明は」


…え、雅紀?


「櫻井翔です」

「…初めまして」


この人、雅紀って呼んでるの?


「和くん、野球部だったんだって?じゃあさ北中野球部の潤って知ってる?」

「え、あ、潤くん?」

「あれ弟なんだ」

「え!翔ちゃん、そうなの?」


なんだよ、翔ちゃんって。


なんだよ、雅紀って。


楽しそうに話しやがって。


なんなんだよ。


「ねぇ、何しに来たの?」


思ったより低い声が出て、二人が会話をやめてこっちを向いた。


「あ、和くんごめんね。雅紀が和くんと肉まん食いたいんだって。いつも和くんの話ばっかだから見てみたかったんだ」

「ちょっと翔ちゃん!」

「帰りに一緒に食ってやってよ」


…俺の話ばっか?

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