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第38章 Spice by つぎこ







あーあ。とうとう泣いちゃった…。

必死で我慢してたのにね…。



ごめんね。

あなたにとっては些細な、取るに足らないコトであったとしても、俺にとってはとても冷静ではいられなくなるコトって、あるんだよ。

抑えが効かなくなる。

歯止めが効かなくなるんだ。



「ねぇ。俺んち、来るでしょ?」

「…。」

「来ないの?」

「…和、ゲームばっか。」

「…え?」

「…和、ゲームばっかしてる。俺のコト、全然…。」

「…。」


…そんな可愛いコト言っちゃって。

ココロにもないコト、言っちゃって。


そんなコト、どこで覚えてきたの?

それとも彼に、吹き込まれでもしたの?



「…分かったから。今夜は雅紀のために美味しいミルクティ、淹れてあげるから。好きでしょ?…ね?」

その背中を抱きしめ、そっと囁いてやる。



負けたくないんだ。

とても勝ち目なんかないから。

どんなに優しくしても、勝てっこないから…。だからつい、意地悪してしまうんだ。


でもね、これだけは負けないよ。

ミルクティ。

最高の淹れ方、研究したからね。

あなた好みのね。

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