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第46章 紅華 by アロエリーナ

不思議だったが、彼の卒業制作となる
人物画のモデルを務めて‥

完成時に、告白された。


「雅紀、僕の専属モデルになってくれる?

僕は卒業したらプロの画家になる。
公私ともに‥その、プライベートでも。

僕と、付き合って下さい。
これからもずっと、君を描き続けたい」



あれから一年。

オレは四年生になり、変わらず美大にいて。

智の仕事も順調で、近々個展を開く予定だ。


中庭で友人と雑談していると、スマホが震えた。

【会いたい】
【講義おわったよね】
【すぐ来て】

短いLINEのメッセージ。

最近こんなのが一日中ひっきりなしに届く。

つい、ため息を漏らしてしまった。

「ラブラブだね」

友人がニヤけながら画面を覗き込んでる。


同じ学科で、親友のニノ。
よく智の話も聞いてもらってる。

「最近は多すぎるけどね‥」

「愛されてる証拠じゃない。
お前いつもストールしてるけど
もしかしてキスマーク隠してたり?」


不意にストールをぐいっと下げられた。

病的な発疹のように広がる、赤い斑点が覗く。

オレは慌ててストールを上げて、首を隠した。

「そんなもんねぇよ」

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