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第46章 紅華 by アロエリーナ

ニノの表情が強張る。

見られちまったな‥

「なぁ、ホントは嫌なんじゃないの?
先輩がそんな束縛彼氏だったなんて
まだ信じ難いけど‥
相葉、ツラそうだよ」


ニノが心配そうな顔で見つめてくる。

意表を突かれてドキッとした。

「そんなこと‥ないよ。もうすぐ個展で
ナーバスになってるだけなんだ」


そう答えると、ニノはオレの肩を引き寄せ
コツンとおでこを合わせた。

「無理に笑うな。キツかったら逃げろよ」


なぜか涙が溢れそうになり、顔を上げた。

ふと視線を感じて、校舎を見ると
一人の男子生徒と目が合った。

彼はフッと嘲笑った気がした。

ニノもつられて見たら
すぐバルコニーから姿を消した。


「今の、建築コースの櫻井さんじゃね?
相葉、どうかした?」

「いや、何でも‥」


「帰り、ハンバーガーおごってやるよ。
昼も食ってねぇだろ」

「え!ニノが奢るなんて珍しっ」


「バイト代入ったから‥」

言いかけて、ニノは校門の前で立ち止まった。

そこには智が居た。


「雅紀、返事がないから迎えにきたよ」

優しい笑みを浮かべ、手を振っている。

ニノは智を睨んでいた。

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