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そんな俺の気持ちを察して
誕生日のお祝いをしてくれるのが

親友の智だ。

智の家ははイベント事が大好きで
クリスマスイブとクリスマスは
家族で過ごす。

だからいつも１２月２６日に
お祝いをしてくれる。

性格は顔に出るって言うけど、
智を見ると本当だなって思う。

顔と言うか全体に
優しいオーラを纏っていて……

二人でいるときが
一番自分らしくいられる。

羊羮を食べ終わった智は
かりんとうをポリポリ食べ出した。

「今年は彼女、出来なかったね」

「作らなかったの」

そういえば智の
浮いた話は聞いたことがない。

「ねぇ、智って好きな人いるの？」

智はにっこりと笑って何も言わなかった。

「もし智に彼女が出来たら、
もう祝ってくれないんだよねー」

冗談交じりに言って智の顔を見たら、
さっきの笑顔は消えていた。

「どうしたの？」

「……来年から祝えない」

「えっ？」

「俺、引っ越すんだ」

「うそ……えっ？いつ？」

「学校卒業したら、すぐに引っ越す」

「でも、そんなに遠くないだろ？
いつだって……」

「海外……だから」

次の言葉か出なかった。