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第49章 authentic by つぎこ
コートのポケットには、今日、仕上がったばかりの、雅紀への誕生日プレゼント。
雅紀の手を取り、その薬指に嵌め込んだ。
「…雅紀、誕生日おめでとう。」
「…おーちゃん?」
雅紀は、想定外に嵌め込まれたリングと、俺の顔を交互に見ている。
「…おーちゃん。早すぎだって。」
それから、ふわりと笑った。
俺もそう思う。まだあと二週間もあるのにね…。
「…俺が一番にお祝いしたかったの。それにみんなと一緒じゃ、つまんないでしょ?」
ホントは俺が待てなかっただけ…。
だってね。
コレは、もう外せないから…。
「…ほら、見える?」
雅紀の指のリングをずらしてみせた。
その指には既に薄っすらと『 SATOSHI 』の痕…。
リングの内側の細工が、押印みたく、その痕を残してくれている。
「…雅紀にね、俺を刻み込ませたの。」
俺の、ホンモノ、だからね。
雅紀は、リングと自分の指に刻まれた痕を、愛おしそうに、見つめてる。
雅紀のホンモノも、俺でいいんだよね?
だってね、もう俺には『 MASAKI 』が、刻まれているんだから…。
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