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第56章 Several nights by のさまじょ

ホテルに繋がる小径に入る。


両サイドには、小さな土産物屋が並んでいた。


日が落ちたから、店はだいぶ閉まっている。


南国の夜は早い。


夜遊びしてるのは、外人ばかりだ。


ぽつんと、灯りがついている土産物屋があった。


前を通るとき、何気なく覗き込んだ。


「あっ…」


さっき、ビーチ沿いに居た男が居た。


「あ…さっきの…」


男は日本語を喋った。


こんな濃い顔なのに日本人なんだ…


身に着けている服は、現地のもので。


「あ…日本人…?」


「そうだよ。良かったらおみやげ見てってよ」


「ああ…」


押し付けがましくない言い方だった。


俺の足は自然にその小さな土産物屋に入った。


土産物屋の中は、白で統一された爽やかな配色だった。


棚に並ぶ、細々としたみやげもの。


貝殻で作った、質のいいオーナメント。


上等な色とりどりの布地。


その布地を使った、小物。


棚が終わると、店の奥。


レジカウンターらしきものの前にはイスが二脚置いてある。

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