テキストサイズ

Welcome to our party

第59章 トラベル☆ミステリ by アロエリーナ

「まさか‥玲香さんが」

「そう。密室のコテージでバースデーケーキを消したのは、ご本人です」


皆が唖然とする中、翔は潤に何か耳打ちし
二宮はうろたえた。

「彼女はケーキの存在すら知らなかったんだぞ?それにスタッフ想いの島さんが、一人で盗み食いする訳ない!」


「はい、彼女には共犯者がいる」

「捕まえてきたよ」

潤が白い塊を翔の手に渡した。

「この子です。ニャー♡」


「「猫ぉ!?」」

「翔くん‥」

その可愛さに、思わず抱き上げて
甘い声を出してしまった翔は赤面した。

「ゴホン。食べたのはこの猫です」


「どうやって?鍵は私が持っていて、入れる場所もないのに」

不思議そうな顔の二宮の後ろで
玲香は居心地悪そうに黙っている。


「このコテージには猫用の出入口があった。
猫好きの島さんは目ざとく見つけ、利用した」

「証拠でもあるんですか」


翔は二宮の眼前に、草を出した。

「現場に落ちていました。これは猫が好むレモングラス。島さんもハーブを持ち歩いてますね。これもバッグの中にあるはずです」


「ごめんなさい‥ストッカーにドリンクを入れようとした時、ケーキを見てしまったの」

玲香は、ぽつぽつと語り出した。

「スタッフの想いを無碍に出来なくて‥
こうするしかなかった」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ