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第62章 禁断の果実【target yellow】 by みきちん

薬を受け取り車に戻ると、
助手席でニノはスヤスヤと寝息を立てていた。

点滴を受けたみたいで顔色も良くなった。


これなら、大丈夫だな……


俺はニノの髪を優しく撫でた。

「ゆっくり休めよ……」


今だけはな……


車を発進させニノの家へと向かった。

「着いたよ」

寝ているニノの身体を揺らす。

「……ん?……どこ、ここ?」

目を擦りながら辺りを見回す。

「ニノん家の駐車場。歩ける?」

「うん、大丈夫」

車を降りて、ニノの部屋へと向かった。

「ほら、着替えて休んでな?」

勝手知ったるニノの家。

少ない調理器具を出し、準備に取りかかる。

「もう、平気だよ?」

「どうせ俺が帰ったら、
明日オフだからゲームするつもりだろ?」

図星なのか何も言わない。

「バレバレなんだよ。
お粥作ってやるから、それ食べて
薬飲んで寝たら帰ってやる」

「はーい」

ニノは拗ねた顔をしながら、
寝室へと着替えに行った。


本当は嬉しいくせに……


素直じゃないんだよな……


でも、今日は素直にさせてやるよ?


お前を手に入れるためにな……

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