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第65章 snow white by のさまじょ

点滴を打たれると、看護師は病室から出て行った。


「あー…まじ、時間掛かると思うから、帰っていいよ?カズ…」


「んなのいいよ。ここ、病室だし。なんならお前の隣で寝ようかな」


「バカ…俺、寝ちゃうよ?」


「いいよ。病院なんだからゆっくり寝ろよ」


「でも…ほんと、俺、タクシーで帰るから…家、戻ってて?」


「いいって言ってんだろ?俺がここに居たいんだよ」


「え…?」


「だって…心配だろ?」


そう言って俺の目の上に手を置いた。


「寝ちゃえよ…潤」


「うん…」


暫くしたら、とろとろと眠気が来た。


だんだん遠のく意識の中、カズが俺の手をまたぎゅっと握ってくれた。


安心して、俺は眠りに落ちていった。




…どれほど眠っただろう。


目が覚めたら、点滴はあと少しで終わるってとこで。


2時間ほど寝ていたらしい。


ふと横をみたら、カズが俺の隣で眠っていた。


「えっ…ちょっと…」


こんなとこ、看護師に見られたら…


「カズ…ねえ…」


揺り起こすと、カズは薄っすらと目を開けた。


「あ…潤くん…具合どう?」


ほんのりピンク色の頬、潤んだ瞳。


唇は、赤くて…


吸い込まれそうだった。

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