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第66章 まさき by きぃな

「ん……」

目を開けると見慣れない天井に柔らかいベッド。

ここ……どこだっけ?

「……少しは落ち着いたか?」

声がした方を向くと、部屋の入り口に先生が立っていた。
つかつかと俺の方に歩み寄り、ベッドの縁に座る。

「あ、先生、すみません。俺、もう大丈夫なんで……」

起き上がろうとした俺の手を先生が掴む。
そのまま身体を倒しながら、俺をベッドに押し戻した。

俺に跨がる状態になった先生が、上から見下ろす。

「なぜ病院に行った?」
「え?」
「俺も医者だ」

ハッキリしない頭で、今の状況を必死に把握する。

「せ、先生は動物の医者でしょ?」
「……おまえも動物だろう?」

そうだけども……

「俺の所に来なかったお仕置き…な」

何言ってんの、このひと……

ゆっくりと綺麗な顔が近づいて来て…ヤバいと思った瞬間、ギュッと目を閉じる。

数秒後…重ねられた唇。

その隙間から何か流し込まれる。
俺はそれを飲み下すしかない。

「っ、はぁっ、なっ、何す…っ」
「風邪薬だバーカ。俺の調合したのは良く効くから、それ飲んで寝てろ」

離れて行った綺麗な顔。
放心状態の俺は、ただそれを見つめるだけで。

「それから、今日は泊まっていけ、まさきは俺が面倒見てやるから」
「あ…りがと…ござ…います…」

俺は小さな声で、そう言うのが精一杯だった。

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