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第67章 Home Doctor by つぎこ







「…あのね。俺、一応患者さんなんだよ? お客さん。分かる? 二宮センセ?」

つれない返事の俺に、潤は唇を尖らせた。

患者さん、か。それなら仕方ない…。

でもね、患者さんはこんな風に、夜中に忍び込んできたりしないからね?




「…で?」

仮病患者に向かい、取り合えず、カタチだけの問診。


「…で、じゃないよ。ちゃんと診察してよ。」

「 してるじゃん。」

仮病のクセして、イチイチ面倒くさい…。


よし。熱もないし、喉も腫れてない。


「 異常なし。早くオウチに帰って、たっぷり栄養摂って、しっかり寝るコトだね。はい。診察おしまい。」

「 えー。それだけ?」

俺の見立てに不服そうに抗議してくる潤。

それだけって…。他に何があるんだよ。


「 はい、それだけ。お大事に…。」

そんな潤を軽くあしらい、イスをクルリ。背中を向けて、またパソコンに向かった。


「 ヤブ医者…。」

仮病患者は、聞こえよがしに俺の背中に毒を吐きかけた。


はぁ…。

もう。毎回毎回、手が掛かるんだから…。

振り返ると、やっぱり…。


また、そんな目で見てる。


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