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第68章 不器用distance by アロエリーナ

「最下位は松本。今月は期待してるぞ」

「はい‥頑張ります」


凍りつきそうな空気を
遠慮がちな拍手が中和する。

笑われた方がマシだ。

気ぃ使ってんじゃねーよ。


「長野係長~ご褒美にメシおごって下さいよ」

「しょーがねぇなぁニノは。何かにつけて強請るんだから。いいよ、また美味しい店みつけたから、週末な」


「やった!おれ、この為に苦手な営業ガンバれるんです♡」

「また~よく言うよ!」


ばっかじゃねーの。先輩に少し可愛がられてるからって、調子のって‥

あ、目が合った。


席を立とうとすると、課長に呼び止められた。

「松本、今日は二宮に同行してくれるか」

「どうして自分が‥」

契約手伝って、分け前もらえって事ですか?
と口を滑らせそうになった時


「いま社用車が足りないから
松本さんの車に同乗させて欲しいんだ。

おれ、チャリ通勤で車ないから」

横から二宮が割り込んで、申し訳なさそうに笑った。


課長が去り際、労いの言葉の後に
そっと耳打ちしてきた。


「ついでに見てみるといい。彼の仕事ぶりを、参考までに」


アッシーかよ、と不満だったが、今日は二宮と外回りすることになった。

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