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第68章 不器用distance by アロエリーナ

‥温かくて、柔らかいのが
オレの胸に乗ってる。なんだか安心する‥


「あ、おきた。だいじょぶ?ここ病院だよ」

目の前に二宮の顔があって、息が止まった。


「えへ‥おれも寝ちゃった。松本さん
重くて運ぶの大変だったんだから」


オレは白い部屋の、白いベッドで寝ていて
腕には点滴がくっついていた。


「疲れと風邪だろうって。最近、咳したり
調子悪そうだったもんね」

「‥悪い‥」

恥ずかしいやら情けないやらで
それしか言えなかった。


一番見られたくない奴にこんな姿見せて
貸しまで作っちまった‥てか

オレの普段の様子、見てたの‥?



点滴が終わると、二宮はオレの車で
家まで送ってくれた。

「車なくても毎日会社の使ってるから
運転は安心しなよ」


代行でもよかったのに‥

まだ熱で頭がぼんやりして、言われるがままに任せた。


「実は、おれも同じ寮なんだよね。何号?」


驚いた。会社の同じ独身寮に住んでたなんて。
知ってたのか?


二宮はヒーヒー言いながらオレの肩を担ぎ、
荷物を持って、部屋まで運んでくれた。


そしていつの間に買ったのか、ゼリーの栄養補助飲料やスポーツドリンクを、ベッドまで持ってきた。

「さっさと治して、会社きてね。
松本さん居ないと困るんだから」

「どーせ車だろ‥悪い、寝る」

「薬だけでも飲めよ。ほらウイダーと一緒に」


なんだこいつ、グイグイくる‥

お前はオレの母ちゃんか?

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