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第68章 不器用distance by アロエリーナ

「飲まないなら、飲ませちゃうからね」


寝ていたオレの背中が持ち上がり、口を塞がれ
温かい液体が流れ込んできた。


ちょ、唇当た‥って、口移しじゃねーか!?


「‥ごちそうさま♡早く元気になれよ」

二宮は、笑顔で部屋を出て行った。


混乱と高熱で、オレの意識は再び遠のいた‥‥




早めの受診と薬のおかげか、一晩で熱は下がり‥
一日休養とって、その翌日には出社した。


「‥二宮が、休み?」

「風邪だとさ。松本、移したんじゃないか?」


課長の言葉で、あのキスが脳裏に浮かび、
慌てて頭を振った。


「何赤くなってんだ。病院に連れてって貰ったんだろ?今度はお前が見舞ってやれよ。
近所なんだし」

「は‥はい。仕事帰りに」


課長は周囲を警戒し、囁いた。

「いま行ってやれ。早退届、出しとくから。
仕事が手につかないだろ?」


何なんだよ。井ノ原課長まで‥

オレ、あいつのこと嫌いなのに。

気になってしょうがないの、分かるの?


「っ‥お願いします!」

オレは急いで、寮にとんぼ返りした。

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