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第8章 夢か現か by奏
告白したのは、
卒業式の一週間前。
もし失恋して、
気持ち悪がられても、
卒業してしまえば、
もう顔を合わせることも無いから、
…なんて、
今考えてもズルかったね、俺。
でも、
決死の思いで告白した俺に、
大野さんは、
ニコッと笑って、
「いいよ」って。
余りにもあっさりOKされて、
逆に俺が、
「いいんですか?」って訊き返して、
笑われたっけ。
だから、
『どうでも良かったのかも』
『俺だけが好きなのかも』
そんな風に
思ったこともあったけど、
大野さんも、
ずっと好きでいてくれたこと、
後で話してくれた。
「嬉し過ぎて頭真っ白で、
一言しか返せなかった」って。
その時、
「もう離さないからね」って、
「ずっと傍にいるからね」って、
…そう言ってくれたのに、
こんなに一瞬で
失ってしまうの?
まだ、二年目に入ったばかりだよ…
ベッドに潜り込んで、
大野さんの枕を抱き締める。
大野さんの匂い。
…余計、
『今ここにいないんだ』
って痛感して、
「大野、さん…っ」
涙が溢れた。
卒業式の一週間前。
もし失恋して、
気持ち悪がられても、
卒業してしまえば、
もう顔を合わせることも無いから、
…なんて、
今考えてもズルかったね、俺。
でも、
決死の思いで告白した俺に、
大野さんは、
ニコッと笑って、
「いいよ」って。
余りにもあっさりOKされて、
逆に俺が、
「いいんですか?」って訊き返して、
笑われたっけ。
だから、
『どうでも良かったのかも』
『俺だけが好きなのかも』
そんな風に
思ったこともあったけど、
大野さんも、
ずっと好きでいてくれたこと、
後で話してくれた。
「嬉し過ぎて頭真っ白で、
一言しか返せなかった」って。
その時、
「もう離さないからね」って、
「ずっと傍にいるからね」って、
…そう言ってくれたのに、
こんなに一瞬で
失ってしまうの?
まだ、二年目に入ったばかりだよ…
ベッドに潜り込んで、
大野さんの枕を抱き締める。
大野さんの匂い。
…余計、
『今ここにいないんだ』
って痛感して、
「大野、さん…っ」
涙が溢れた。