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第73章 とわごい by のさまじょ
「黒狐さん…?」
「ん?」
「今日はもう帰りますね」
「…そうか…」
帰って欲しくなかった。
本当はここで、腕の中に閉じ込めて置きたかった。
でも…潤は人間で。
寝ないと死んでしまう。
食べ物を食べないと死んでしまう。
百年も生きないで死んでしまう。
だから…
「送ろう」
暗闇の中を、潤を抱えて飛び上がる。
緑色の屋根の建物の二階。
扉の前に潤を下ろすと、名残惜しい。
「じゃあ、よく休めよ」
「あ…黒狐さん」
「ん?」
「食べ物は…食べるのですか?」
「油揚げが好きだが」
「やっぱり!用意したから、寄って行ってください」
潤が俺の腕を掴んだ。
「お願いします…黒狐さん…」
悲しそうな瞳で言うから、思わず頷いた。
部屋は、とても狭かった。
「すいません。汚いところで。ここ、座って下さい」
見ると、真新しい座布団が置いてある。
そこに腰掛けていると、潤が嬉しそうに俺をみている。
「…なんだ?」
「いいえ…」
そう微笑むと、潤は部屋の向こうへ消えていった。
「ん?」
「今日はもう帰りますね」
「…そうか…」
帰って欲しくなかった。
本当はここで、腕の中に閉じ込めて置きたかった。
でも…潤は人間で。
寝ないと死んでしまう。
食べ物を食べないと死んでしまう。
百年も生きないで死んでしまう。
だから…
「送ろう」
暗闇の中を、潤を抱えて飛び上がる。
緑色の屋根の建物の二階。
扉の前に潤を下ろすと、名残惜しい。
「じゃあ、よく休めよ」
「あ…黒狐さん」
「ん?」
「食べ物は…食べるのですか?」
「油揚げが好きだが」
「やっぱり!用意したから、寄って行ってください」
潤が俺の腕を掴んだ。
「お願いします…黒狐さん…」
悲しそうな瞳で言うから、思わず頷いた。
部屋は、とても狭かった。
「すいません。汚いところで。ここ、座って下さい」
見ると、真新しい座布団が置いてある。
そこに腰掛けていると、潤が嬉しそうに俺をみている。
「…なんだ?」
「いいえ…」
そう微笑むと、潤は部屋の向こうへ消えていった。