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第79章 春宵 by つぎこ







「…くしゃんっ。」

拾われものが、ベッドの上で、くしゃみをひとつ。
そんな格好じゃ、さすがにね…。


「…ほら。風邪ひくから。」

「…ありがと。」

着替えのスウェットを放ると、上衣をすっぽり被り、頭を出して、また、ふにゃ…っと、笑った。




ぐうぅ…。

今度はお腹の音。

お腹を押さえ、チラリと俺を見上げる。



はいはい。お腹も空いたのね?

結構、手が掛かるよね…。


なんの抵抗もなくキッチンに立ってしまう、俺も俺だけど…。

だけど、あり合わせのチャーハンを、ご機嫌で頬張る姿を見ていると、何故か和んでしまって…。



「…やっぱ、本当だったんだ。」

拾われものは、全部平らげると、ごちそうさま…と、手を合わせ、満足そうに笑った。


「 え?」

うっかり和んでしまっていた俺は、話の行方が分からず、聞き直してしまった。


「 公園にいれば、寝床くらいはありつけるって話。」

「 は…?」

えーっと…。


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