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第79章 春宵 by つぎこ
「 ただいまぁ。」
仕事から帰宅すると、リビングに直行する。
「 おかえりー。」
ソファーに寝そべっていた智が、顔だけひょっこり覗かせる。
これだけで和むというか、癒されるというか…。
仕事の疲れも、うっかり忘れてしまいそうな緩さが、そこにある。
「…今日はどれくらい?」
それは、俺と智の日常。
「 んー…。7分咲きくらい?」
智はあの公園の桜が気に入ってるらしく、毎日のように通っては、その移ろいをスケッチしてくる。
俺は風呂上がりにビールを飲みながら、それを見るのが楽しみになっていて…。
隣に座る俺の膝を、当たり前のように枕にして、ぽつりぽつりと、その日の出来事を話す。
公園で見掛けた可笑しな人とか、虫の生態とか…。
俺は、膝の上で屈託なく笑う、その柔らかな髪を自然と弄んでいて…。
段々、話が辿々しくなると、いつの間にか眠ってる。
それは、あまりにも平穏な日々の連続で…。