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第82章 届け!この想い by ガーベラ♡

彼、櫻井翔くんは同じ大学の4年生。
就職は大手の出版社に内定が出てて。
だから、この店も1月いっぱいで辞めるって。

いつも、その先まで踏み込みたかった。
外で会いたかったし、もちろん連絡先も交換したかった。

そして、なにより俺は…
彼と恋人同士になりたかったんだ。

でも勇気が出なくて…
変態だって、そう思われたら、もう彼に会えなくなるって…
そう思ったら怖くて、どうしても踏み出せなかった…

そして、彼はそのまま、店からいなくなった。

それからというもの、俺はもう、抜け殻の日々。

「どうした~?お前女にでも、振られた~?」
友人のカズも心配する程で…

「女~?…はぁ…それ以上だよ…」

「また、可愛い子紹介してやるって!」
カズはそう言って慰めてくれたけど、

「悪い…今は、そんな気になれないんだ…」
と丁重に断った。

翔さんほどの人は、そういるもんじゃない…

俺はもう、毎日を惰性で過ごしていた。
ただ、彼にまた会いたい…それだけだった。

そんなある日。
俺はいつものようにバイトに出ていた。
紳士服の専門店。

「相葉く~ん、オーダーのお客さん!採寸よろしく~」

「は~い!いらっしゃいま… !!」

「こんちには、久しぶりだね(^^)」

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