テキストサイズ

Welcome to our party

第83章 表裏一体 by みきちん

「いつか殺してしまう……」

翔があの日、
言い放った言葉が現実になった。

翔が泣きながら俺に電話をかけてきたので
大急ぎで家に向かった。

目の前に広がる惨劇に言葉が出ない。

「雅紀っ、お願い……
何でもするから……助けてっ」

足にしがみついて縋る翔に、
なぜが優越感を感じた。

羨ましいと思っていた翔が
家庭内暴力を受けていて、
ついに殺人まで起こしてしまった。

そして俺に助けを求めた。

これはチャンスだ……

俺の人生の転機になる。

「本当に何でもしてくれる?」

翔は潤んだ瞳を俺に向けて、
首を縦に振った。

それからの出来事はあんまり覚えてない。

思い出そうとすると吐き気に襲われる。

疑われないように警察には失踪届を提出した。

たまたま株で両親が損していたらしく、
それを理由に失踪したんじゃないかと
警察が教えてくれた。

運まで俺に味方してくれた。

警察が弁護士を翔に紹介して、
土地を売ったりして生活に支障はない。

寧ろ、誰にも邪魔されず
存分に金を使えるようになった。

そしてそのお金を使って、
俺は願いを叶えた。


そろそろ、お役御免だな……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ