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第85章 君にいちばん近い椅子 by チャコ
「翔ちゃん」
数か月経っても
まだ、あの丘に居た
あんな紙っぺら一枚握りしめて…
「ホームシック?」
涙を拭う暇を与えなかったら
少しきまり悪そうにした
「ちがう…」
怒ったような声になる
「すぐ慣れるよ、こんなトコロでも住めば都だよ?」
笑顔で返すと
今度は泣きそうな顔
「そーゆーんじゃない…」
「そう…」
もう諦めなよ…
現実はここにあるんだから
「もうすぐ夏が来るね」
「この時期もう東京は暑かった…」
「ここは真夏でも涼しいよ…」