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第85章 君にいちばん近い椅子 by チャコ
「もしも…社長が傍に来いって行ったら…翔は行くの…?」
「当然だよ」
即答か…
「すごい人だよ…うちの社長は」
「姿もみたことないのに?」
「それは…」
幻みたいな社長じゃなくて
僕を見てほしい
僕には翔が必要なのに…
「見て…うちの会社の敷地内に新しい建物ができるね…春には完成だよ…」
「…あんな山の上に…なんの建物…?」
「…もうすぐわかるよ、きっと…」
翔の瞳は興味なさそうに海に戻った
その顔を僕の方に向けさせる
「んっ…まさっ…んんっ…ん、はぁ…」
頬を染めて、少し僕を睨む
「ん、もぅ…外なのに…」
「ふふ…牛と鳥くらいしか見てないよ…」
おどけて見せれば
翔の躰がら力が抜ける
その躰を
草の上に押し倒した
僕を見て…?
翔の甘い声が夕焼けに響いた