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第89章 五月雨 by アロエリーナ

「大方、授業についてけないわ、友達できないわで、拗ねてるんだろーが!」

「うっ…」

図星すぎて、なんも言えねー…

「その程度で引きこもるようじゃ、社会出てもすぐ淘汰されんだぞっ!根性足りねーんだよ…!」

翔ちゃんの腕がヒュッと伸びてきた。

殴られる!?と身を縮めると…


「ごめんな、雅紀。せっかく俺を追って、頑張ってくれたのに。構ってやれなくて、ごめん」

両腕でオレの頭を、ふわりと包み込んでいた。


「雅紀が本当に、うちの学校入ってくれて、スゲー嬉しかった。
フォローしてやりたいけど、俺も忙しくてさ…」


背中に回された腕に、ギュッと抱きしめられる。

途端に涙がこみ上げて、嗚咽となって溢れだした。

「ひっく…悪いのはオレだよ。甘かったんだ…
翔ちゃんにもっと近づきたくて…
ずっと、好きだったから…っ」


すると翔ちゃんは固まって、俺の肩を掴み、体を少し離した。

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