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第94章 雨夜に咲く花、恋花火 by namako
「さっきはごめんね?」
花火に視線を落としたまま、翔君がポツリ言う。
「俺こそ、ごめん…」
小さな灯りの向こうで、翔君が小さく首を振った。
「最後の一本、どうする?」
袋の中に、僅かに一本残った線香花火。
俺はそれを翔君に差し出した。
「翔君、やんなよ?」
「いいの?」
俺は無言で頷く。
パチパチと形を変えながら散る花を、二人並んで見つめる。
やがて火種が落ちると、辺りをまた闇が包んだ。
「儚いね…」
俺の肩に翔君の頭がコツんと乗せられた。
「うん…」
俺は肩に腕を回し、翔君の身体を腕に抱きとめた。
見上げる潤んだ瞳に吸い寄せられるように、俺は翔君に口付けた。
「智…君?」
「シッ…黙って?」
人差し指を翔君の唇にそっと当てる。
再び重なる唇。
割り入った舌で翔君の口内を味わいながら、浴衣の襟元から手を滑らせる。
「…ん…はぁ…」
胸の小さな粒に指先を絡めると、翔君の身体がピクリと震える。
飲み込みきれない唾液が顎を伝う。
俺はそれを舐め取るように、唇を首筋へと移動させた。
「ダメ…人に見られちゃう…」
翔君の手が俺を制した。