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第96章 君棲む君と…。 by つぎこ





ここ一週間、彼とは連絡が取れてなくて…。
それは俺たちには極々日常で…。でもこんな時、途端に胸が騒めきだす。


「 送ってこうか? 」

何気に平静を保とうとする俺に、雅紀が苦笑する。

そこがね、厄介なんだ…。

雅紀に送り届けられたのは、診療所の看板掲げるレトロな洋館。
診察時間はとっくに終了していて…。


「…で? 」

「…オーバーワークだよ。」

小生意気な医者が、椅子にふんぞり返って俺を見た。

ここに着くなり、倒れ込んでしまったらしくて…。

「 とにかく今夜は絶対安静。部屋から一歩も出るの、禁止だからね。」

絶対安静ね。それを素直に聞いてくれるんだったら、こんなコトにはならないよね。


「…ここ、かなり脆くなってるからね、気を付けなよ? 」

小生意気な医者が俺の胸を、トン…と小突く。

「…。」

「…あんたそれが専門だろが。 」

ヤブ医者…。

そう言われたような気がした。


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