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第97章 Thank you everyone by みきちん
「どこにいるんだ、智くん…っ」
人混みをかき分け、必死に辺りを見回す。
こんなに広い会場で、
智くんに本当に出会えるんだろうか……
『着いたらソーセージ食べて、
焼き鳥食って、お好み焼き食って、
やきそば食うぞ』
嬉しそうに笑っていた
智くんの顔を思い出した。
時間はない。
きっと花火を見る予定だから、
その近くの屋台にいるに違いない。
一か八かの賭けだ……
俺は再び、人混みをかき分け走った。
ここにもいない……
ここも違う……
的を絞ったが、
それでも多すぎる屋台の数に足が止まった。
最初から出会えるはずが無かったんだ……
立ち止まったまま時間だけが過ぎていく。
人の流れは花火が打ちあがる方に向かう。
後頭部にあるお面を取った。
相変わらずニッコリと俺に微笑むお面。
なぁ、頼むよ……
俺を乗せて、
智くんの所まで連れてってくれよ……
「翔……くん?」
聞き覚えのある声……聞きたかった声が
雑音をかき分け、俺の耳に届いだ。
「智くん!」
俺は嬉しさのあまり、
智くんの元へ駆け寄って抱きついた。